ガベス湾沿岸水産資源共同管理プロジェクト(チュニジア)

  • タコつぼ漁

    タコつぼ漁

  • 漁師による会合

    漁師による会合

  • 人工魚礁

    人工魚礁

開始: 2012
地域: 中東・マグレブ
事業形態: 技術協力
実施背景
チュニジア国は、水産資源は国内における動物性タンパク質の主要供給源であり、また、輸出による外貨獲得源としても重要な役割を果たしています。特にチュニジアの南部3県(スファックス、ガベス、メドニン)が面するガベス湾においては、全国の約6割強に当たる漁民人口が従事しており、チュニジアの漁業にとって重要なだけでなく、地中海の水産資源を支える重要な生態系が存在しています。しかしながら、近年乱獲や違法操業による生息環境の破壊によって水産資源が減少し、近年は沿岸漁業生産量が大幅に低下しています。
このような状況を改善するため、チュニジア政府は、水産資源の管理に豊富な知見を有する日本に対して協力を要請し、日本は2005年から5年間にわたり、漁村単位での水産資源管理を支援しました。しかしながら、ガベス湾の沿岸漁民は湾内の漁場に自由にアクセスして操業できるため、漁村単位で行う資源管理努力では効果が限定的であり、ガベス湾全域の適切な水産資源管理のためには、より包括的な水産資源管理が必要な状況にありました。そのため、チュニジア国は漁村間の連携を強めることで実効性を高めた沿岸水産資源管理計画のを策定し、2012年から「ガベス湾沿岸水産資源共同管理プロジェクト」が実施されました。
実施結果
この協力では、過去の協力で開発・導入した技術と手法をベースに、漁民グループと行政機関の連携を強化し、同地域において水産資源を持続的に管理できるように支援しました。計画対象地域において沿岸水産資源の共同管理が継続的に実践される体制が確保され、ガベス湾全域にわたる持続的な沿岸水産資源の利用が可能となり、漁業を生計手段とする人々の生計安定に寄与しています。