タララ漁港拡張・近代化計画(ペルー)
プロジェクトの背景
ペルー国の水産開発政策の骨子は秩序ある漁業の実現、水産物の食用利用の促進、零細漁業開 発等であり、これらに基づいて①零細漁業用漁港の近代化及び食用水揚体制改善、②漁港に対す る「漁業・養殖活動に関する衛生基準」の適合化、③零細漁業水揚魚類の品質改善等のための冷 蔵・製氷設備整備、④水揚計量管理化、⑤漁民組合体制の強化、⑥タララ湾等における水産セク ターを超えた汚染防止のための環境管理の実施等が重要な開発戦略として位置付けられていました。特に、同国北部沿岸部では食用向け 水産物の生産が盛んであり、ピウラ県下のタララ漁港は、アジ類等沿岸浮魚、メルルーサ等底魚 の食用水産物の供給において国民生活に寄与してきましたが、1990 年代に入り北部水域で はポタ(アメリカオオアカイカ)資源が増大し、その利用開発が進められました。しかしながら、同漁港の水揚施設、陸上施設が老朽化が著しく水産物水揚量増加に対して関連施設の規模も小さいため、水揚・一次処理施設の利用に混雑が生じていました。かかる状況に対し、ペルー政府はタララ 漁港拡張・近代化計画を立案し、その実施にかかる協力が要請されました。
プロジェクトの実施
現地調査及び国内解析を通して、計画の背景・内容、自然条件、運営・維 持管理体制、建設事情、機材調達事情等の調査・解析を行いました。その結果、タララ漁港の抱える 課題を解決するためには、タララ漁港の水産物水揚・一次処理機能を改善することにより関連す る混雑の状況を緩和し、保蔵機能及び海水取水・排水処理機能の整備により漁港機能を改善し、 併せて、「漁業・養殖活動に関する衛生基準」に従った施設整備を図ることが必要であると判断 されました。この協力(第1~2期)では、同漁港の拡張・近代化を設計・支援し、桟橋の混雑状況の緩和、漁港機能の改善、漁業・養殖活動に関する衛生基準に準拠した施設の整備を図りました。