零細漁業センター整備計画(カメルーン)

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開始: 2004
地域: アフリカ(サブサハラ)
事業形態: 無償資金協力
【案件背景】
カメルーン国において水産業は、安価な動物蛋白供給源、 農漁家の収入源として重要な位置づけにある。水産物の年間水揚げ量は約 11 万トンであり、そのうち 90% 以上を零細漁業分野が占めていた。とりわけ沿岸漁業は、漁場面積が限られているにもかかわらず、零細漁 業生産量全体の約 45%を占めており、沿岸域住民にとって貴重な動物蛋白源となっている。一方で、同国 では国内生産だけでは魚消費量を満たすことが出来ないことから、年間約 10 万トンの安価な冷凍魚を輸入 していた。 このような状況からカメルーン国政府は、沿岸漁業の振興により国内漁獲量の 増大、零細漁民の生活レベルの向上を図るため、FAO-DIPA の協力を得て「漁業金融支援プロジェクトに 関する F/S 調査(1997 年)」を実施した。その結果、同国沿岸5県のうちで、最も推定資源量が大きく 漁獲量の増大が可能である同国南部州オセアン県における総合的な零細漁業振興(漁労、流通・加工、船外 機修理・木造船製作、等)を支援するために、クリビ漁民センターの整備が提言された。
【実施内容】
 計画サイトでは、①水揚げ基盤施設の欠如、②若手漁民の訓練体制の欠如,③水域監視お よび漁具の法的管理のための持続的メカニズムの欠如,④漁業金融の欠如と漁具価格の高騰等の問題に直面 していました。とりわけ既存水揚場は、漁船の燃料・漁業資機材・交換用部品の保管場、漁獲物保蔵用の製氷機・ 保冷庫、漁具等の補修のための作業場、ならびに衛生的な荷捌場がないため、水産開発のポテンシャルが高 いにもかかわらず経済的・効果的な漁業活動に支障を来していました。 日本は、ムボア・マンガ水揚場において、零細漁業施設の建設、荷捌用機材と修理用工具の調達を支援しました。この協力により、漁獲物の鮮度の改善、氷の生産・供給体制の整備、水揚げ・荷捌き場の衛生状況の向上などに寄与しました。