パラマリボ小規模漁業センター整備計画(スリナム)

  • 製氷棟

    製氷棟

  • 管理棟

    管理棟

  • 製氷棟と桟橋

    製氷棟と桟橋

開始: 2006
地域: 中南米・カリブ
事業形態: 無償資金協力
実施背景
スリナム国パラマリボ地区では、1980 年当初より比較的船型が大きなガイアナ型零細漁船を中心に零細漁業が営まれ、漁船数および水揚げ量が増加し、年間約 6 千トン程度が水揚げされていました。しかし、パラマリボ周辺には公的な水揚げ場施設が整備されていないことから、同地区を水揚げ地拠点とする大型の零細漁船の多くが特定の水揚げ場を確保できない状況にあり、スリナム 川沿いの接岸可能な場所で水揚げ・出漁準備作業等を行っていました。またこうしたすべての水揚げ場の接岸部は狭く、水深が浅いことから満潮時の前後 2~4 時間以外は使えないなど、多くの零細漁船が非効率的かつ不衛生な環境のもとでの作業を余儀なくされていました。 加えてパラマリボ地区では零細漁船への氷の供給量が不足しており、計画的な出漁ができず、 1航海あたりの操業日数を短縮しなければならない状況にもありました。さらに、1997 年に欧米諸国より スリナム国の水産物輸出加工会社に対する衛生管理基準の作成・施行の要請があったことを受け、 同国政府は、2002 年より水産物検査法を施行しているが、既存水揚げ場は同法令で定める施 設整備基準を満たしていないなどの問題が発生していました。 こうした背景のもと、パラマリボにおいて干潮時でも安全かつ円滑に接舷可能で、漁獲物の 水揚げと保冷車などへの積込・保管を行うための機能と、氷、燃料、水などの供給施設を備えた 衛生的かつ効率的な水揚げ場施設の整備を目的として、「パラマリボ小規模漁業センター整備計画」が策定され、同施設整備に係る無償資金協力が日本へ要請されました。
実施内容
スリナム川西岸域に、水産基盤施設(桟橋、護岸、製氷棟、漁具補修場)の建設と鮮度検査などに資する機材の整備などを支援しました。これにより、同国における水産物の市場拡大や零細漁業振興に寄与した。