沿岸水産資源の持続的利用計画プロジェクト(チュニジア)

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開始: 2005
地域: 中東・マグレブ
事業形態: 技術協力
プロジェクトの背景
地中海に面するチュニジア国の漁場は、大きく北部、中部、南部の3つに分かれる。このうち、南部海域に含まれるガベス湾は、広大な大陸棚が広がる好漁場であり、沿岸漁業の水揚量の51%、漁船数の48%、沿岸漁民の45%を擁する(2000年)。また、浅海域にはポセドニアPosidonia oceanicaの海草群落が広がり、水産生物の産卵場、索餌場となっている。この様に、経済的および生態的に重要なガベス湾であるが、近年大型トロール漁船や現地でキッスと呼ばれる小型トロール船の違法操業が横行し、その結果、海草群落が破壊され、水産資源も減少し、沿岸漁業に大きなダメージを与えている。かかる状況に鑑み、本プロジェクトは、藻場への違法トロールの侵入を妨害する小型人工魚礁の投入、藻場造成(植林)、スズキおよびヘダイの人工種苗生産および放流、沿岸漁民の収入源多角化を企図したアサリおよび海綿の養殖、といった様々な活動を組み合わせ、ガベス湾の沿岸漁場の再生と維持・管理体制の確立を目標とする。
プロジェクトの目的
選定されたプロジェクトサイトにおいて、漁業コミュニティの参加を得て、海中資源の持続的利用のための沿岸漁業資源管理モデルを構築する。
活動内容
1. 藻場の保全と再生に関する地域社会の理解と協力を促進する。
2. 漁師の参加による漁場保護のための人工魚礁の設置。
3. 人工魚礁の社会経済的、生物学的影響の調査を行う。
4. 稚魚生産(ヒラメ)と放流技術の改善(スズキ、タイ)。
5. 漁業者の収入源を多様化するために、漁業者グループや政府機関が主体となって行動計画を策定する(小規模なアサリの養殖や水産加工)。
6. 近隣諸国(エジプト、アルジェリア、モロッコ、モーリタニア、イタリア)と沿岸漁業資源管理に関する技術交流セミナーを実施する。